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  • 米国労働省からのホワイト・カラー従業員に対する新規定

米国労働省は連邦裁判所の2016年11月22日付の全米共通の差止め命令により本来では今年の12月に実行されるはずであったFLSA (厚生労働法) の対象となるホワイト・カラー従業員の賃金を向上する規定について全米共通の差止め命令を下しました。

米国労働省はFLSA (厚生労働法) 対象のホワイト・カラー従業員の週べースの賃金を現行の413米ドルからおよそ二倍となる金額の913米ドルに引上げ無ければ、当該従業員は残業手当を受取ることから免除(Exempt)されないとの新規定を実行することを企画していました。

しかしながら、当該新規定が実行される九日まえになり、テキサス州の連邦裁判所は 2016年11月22日付で、全米に渡り適用する差止め命令を下しました。この命令により、会社側は法的及びビジネス側面からの観点を踏まえて、今後、如何なる対策を講じるかにつきあらゆる観点から慎重に検討する必要があります。

テキサス州の連邦裁判所の2016年11月22日の差止め命令を歓迎する企業も少なくはないと考えられますが、米国労働省の12月から実行されるはずだった新規定に伴い、既に従業員の賃金のベースアップをしたり又は当該新規定の対象となる従業員を時間給ベースの従業員に変換させた企業には様々な疑問又は質問が浮上することが少なくはないかと思われます。

先ず、この差止め命令は暫定的なものである為、今回の裁判での当事者は新たな証拠等を提出するか新たに主張をすることも考えられます。 米国労働省側もこの命令を高等裁判所に控訴し、高等裁判所は下級裁判所の差止め命令を取消す可能性も否定できません。その場合には、米国労働省の新規定は直ちに実行され、新規定が遡って効力が発生するこもありえます。

2016年11月22日の差止め命令を基に直ちに旧賃金ベースに切替ず、今後テキサス州の連邦裁判所の2016年11月22日の命令が恒久的な効力を持つのか、米国労働省が当該命令を控訴するのか又は2017年からの米国の新政権により新規定が廃止されるのか等、今後の展開を慎重に監視しつつ、対策を念頭に置き事業展開を進めて行くことが重要かと思われます。

いずれにせよ、企業側はexempt のホワイト・カラー従業員はその遂行する任務がexecutive、administrative又はprofessional のexemption の対象であることを確かめなければないことは今後も考えられます。

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